新プロジェクトへ向けて!【お稽古日記~裏千家茶道編】

現在、高校生向けのネット塾・真花塾は、古典をつたえる・日本の良さを改めて情報発信していくという目標を決めて準備に取り掛かっています。スタッフも増員!新プロジェクトに向け、代表である吉川自身もますますお稽古に力を入れています。
日本の伝統を伝えるために、私たちができることは何か?それは「いま」に伝統を取り入れて、その良さを体感することにあります。そしてその楽しさを自分の言葉でほかの人に伝えていけたら・・・。
今回は、そんな吉川のある一日をご紹介いたします!

いざ炉開き。お茶の“正月”で気分を一新

炉のお稽古でした。茶道の正月ともいわれる11月、気持ちも新たに華やぎます。

炉の茶釜に湯が沸いたほんのり暖かい四畳半。初入りして先生にご挨拶すると、あぁ、また新しい一年を精進しようと清々しい気持ちになります。

掛物は「」。「かん」とよみます。「新しい節目、はじまり」という意味なのだそうです。

さて、このように始まった霜月の茶の湯ですが、もちろん変わらないこともあります。

それは所作。半年ぶりとはいえ、普段どおりの炉の点前。そして客の作法も普段どおりに、楽しく粛々と進みます。

そして普段どおりといえば、茶の湯に親しむ人ならきっと誰もが心を砕くもの、それは「茶杓の銘」ですよね。

え?「茶杓の銘」?何それ?のあなたに!

茶杓(ちゃしゃく)とは、お茶の器や茶入れに入っているもので、抹茶をすくうための道具を呼称しています。その呼称やその銘がついた道具を季節や趣向ごとに改めて、使い分けることに味があります。

また、薄茶の場合は棗と茶杓を、お濃茶の場合は茶入・仕服・茶杓を客に拝見に出し、皆が手に取って目で見て、ともに味わうことができます。

茶杓の銘には、茶杓を削った人の感性や、その人自身を表すといわれ、拝見する客は作者の持ち味を感じ取るようにします。感性と感性のぶつかり合いとも言えるのではないでしょうか(^^♪

なぜなら月ごとに銘はあります。そして、お稽古では由緒ある茶杓を、実際に誰もが使えるとは限りません。そんなときこそ、自分の点てた茶をより楽しんでいただきたい。だからこそ、「銘」を知って使いこなしたい!という思いがわいてきます。

例 11月の銘

山の錦(やまのにしき)、落穂(おちぼ)、野菊(のぎく)、小倉山(おぐらやま)

楓(かえで)、落葉(らくよう)、紅葉狩(もみじがり)、閑居(かんきょ)、錦の山(にしきのやま)
唐錦(からにしき、)吊るし柿(つるしがき)、梢の錦(こずえのにしき
)などなど

私は毎回、お稽古場へのバスに揺られながら、「今日はどんな銘にしようかな」と一生懸命考えながら稽古に向かっていますが、きっと皆さん、稽古のときは心もアタマも全力投球なのかもしれませんね。(^-^)

私はこの日、「梢の秋」を思いました

「こずえ」という音には「すえ」、つまり「末」という漢字もあてられます。(恐るべし漢字のチカラ!)だから「秋の末」ともなります。掛詞なのですね!ちなみに陰暦9月の言葉なので、新暦にあてはめると9月下旬から11月上旬となります。ちょうどこの時期にぴったり!

朝晩の冷え込みもきりきりとしはじめで、もうまもなく冬になるぞ、という感じ。とくに私の住んでいる三田市は、散り葉の段階とはいえ、とってもとっても寒くって、早朝から稽古に向かうときのその感覚やや木々の様子も心に浮かべました。
言葉は意味だけではなく体全体で受け止め、発することが大事!
茶杓の銘は、なんだか「知識」「教養」を問われる感じがしておっかないと感じる人も多いと思います。私も若いころはとくにそう思っていて、知らないと恥ずかしいからとノートを作って必死で丸暗記したり、実際には自分で調べたり感じたりしたこともない言葉を「ほかの人が言っていたから」「知っているから」という理由だけで口にしたりしていました。

でも本当はそういったものではなくて、自分の五感と真心で、茶席をともにする皆さんを思いながら、お伝えしたいと思うようになりました。

お道具も稽古も知識教養も、現代ではごく一般の人がいざ自分もやろう!と思っても、そう簡単には本格的にできるものではありません。でもその心は、日本の財産として受け継いでいきたいものですね。

2019年スタート!真花塾の「にほん伝統文化プロジェクト」
真花塾では、2019年から「にほん伝統文化プロジェクト」を始動いたします。
そのひとつとして、おもに茶杓の銘と掛物、陰暦のことばを解説しながら、多くの人に楽しんでいただき、役立てていただけるコンテンツを作ります。

多くの「これこそ日本!」と思える素晴らしい文化を伝えていく所存です。

ぜひ「こんな情報があったらいいな」「ことばや背景を知りたいな」というリクエストもお待ちしております。学校茶道に励む中高生や茶道部の顧問の先生も応援!

茶の湯に親しむ者の一人として、塾長吉川もますます稽古に励んでまいりたいと思っております。

【写真の菓子】御製:西村清月堂(兵庫県三田市) 銘:木枯し