講師ブログ
2018年2月19日
高1生が挑む“中学の復習”
見た目は大人、頭脳は子ども。その名は・・・俺やん(汗)
古典の学校課題をしながらつぶやいた彼。あたり一面の大爆笑でしたが、あーなるほどなぁと思いました。
風波やまねば、なほ同じ所にとまれり。(土佐日記)
これを現代語訳したいのですが、うーんうーんと、まったくすすみません。
やまねば・・・?とまれり・・・?そう、漢字が思いつかないのです。
「風」「波」ときたら、「やむ」といえば「止む」。
(景色の言葉に引っ張られて「山」と言い出すツワモノもいます)
「とまる」は「泊まる」「泊まる」「留まる」と思いうかぶものですが、注釈に「(きのう同様、船が)」と書いてくれているので、それなら「停泊する」という意味だとなります。
(船が「泊まる」「停まる」の使い分けは、現代語でもごちゃごちゃになりやすいので、そこはご愛嬌)
以上を“一瞬で”“自力で”やれる力が必要です。
なぜなら、古典学習の本当のスタートはここから。接続助詞の「ば」、古語の「なほ」、完了の助動詞の「り」・・・。見た目も頭脳もほんものの「高校生」にならなくちゃ!
さぁ現代語訳。
風と波が止まないので、やはり同じ場所にいる。
「その名は俺やん」と、自分の漢字変換能力のなさを自覚した彼は、漢字検定3級の問題集を買って取り組み始めました。
え、これスタートなんやろ?古典ちゃうんやんな。漢字やばいわ。いまのうちに何とかせんと・・・なぁ先生?
この衝撃の「高校デビュー」を経て、いまの彼があります。
勉強の本質を理解した彼は、公立高校合格で燃え尽きることなく、むしろ中学よりも楽しそうに勉強しています。
校内上位10%をキープしつつ、4月からはいわゆる「受験学年」。
飛躍のきっかけは、たったひとつの「古文の宿題」であり、ささいな「漢字」でした。
でもおろそかにしなかった。初めの一歩で自分に足りないものを見つけ、何をどうすべきか気づいたのです。
あっぱれ^^