真花塾にほん伝統文化プロジェクト

2019年6月23日

古文, 古文を訪ねる, 大学生, 学び, 真花塾にほん伝統文化プロジェクト, 講師ブログ

紫陽花の三室戸寺と『吾妻鏡』の思い出【真花塾にほん伝統文化プロジェクト】

治承四年五月大廿七日戊寅。官兵等宇治の御室戸を燒き拂う。
是、三井寺の衆徒が城郭を搆えるに依て也。
同じき日、國々の源氏并びに興福、園城、兩寺の衆徒中で件の令旨に應じる之輩、
悉く以て攻撃被る可し之旨、仙洞に於て其の沙汰有りと云々。」

こんにちは!真花塾塾長ヨシカワです。今回の【真花塾にほん伝統文化プロジェクト】記事は、『吾妻鏡』の引用からスタートです。


私の三室戸寺との出会いは、大学2回生の春でした。たしか「日本史なんとかかんとか特講」という名前の授業で、『吾妻鏡』の治承4年の話をひたすら読み、語句を調べながらその背景を知るというものです。


高校時代は(一応)理系、大学受験は世界史で、日本史は中学レベルの知識しかなかった自分にとって、大学ではこの授業は本当に、いちばん苦しかったです。

図書館で、吉川弘文館の大きく重たい辞書などを引きながら、毎日夜遅くまでいくら格闘しても、まったくもってよくわからない。当てられそうな部分だけテキトーに調べ、まぁいっか、と予習を終えたこともあります。(おっと、受験生にはこれナイショ!)

もちろんその「なんとか特講」の横井先生には毎回叱られ続け、「分からないならなぜ辞書を引こうと思わなかったのか」「だいたいおまえ、ちゃんとした辞書を引き方も知らないまま大学に来たのか」と何度も言われたものです。

とくにはじめに書いた部分の、しかも「廿七」「戌寅」からさらに「御室戸」(三室戸寺のことです)の漢字が読めなかったときにはとんでもない大目玉でした。・・・当たり前ですねぇ(苦笑)

いまにして思えば、この「辞書を的確に引く」「情報をただ覚えるのではなくて目的をもって整理する」ことをがっつり学べたわけですから、やはり相当鍛えられたものです。


こうして十数年が経っても、色とりどりの紫陽花を眺めながら、「おまえ・・・どんだけ調べ方へたくそか!」と顔をゆがませて嘆く横井先生を思い出します。


さて、この紫陽花のなかには、ハート型のもあるそうです。2年前にはじめて訪れたとき、人混みの中でどこからか「これハート型ちゃう?!」と聞こえてきたのを合図のようにして、いっせいにウォーリーさんをさがせ!の紫陽花版が始まりました。


もちろん紫陽花はのべ1万株とききます。さらに花々の数を考えると、ちょっとめまいが(笑)。もう四葉のクローバーどころの騒ぎではありません。全然見つけられなかった・・・。


横井先生に言わせると、これも「調べ方がへたくそ」のうちに入るのかもしませんねぇ(笑)
いつか見てみたいものです(^^♪

2019年6月13日

ケーススタディ, コミュニケーション, 古典教養講座, 古文, 真花塾にほん伝統文化プロジェクト

【開催しました】狂言の登場人物に学ぶ!役立つコミュニケーション講座inOBPアカデミア

去る6月9日(日)午後、真花塾にほん伝統文化プロジェクト主催講座を行いました。狂言台本を講師とともに音読し、登場人物のセリフや行動から学べることを考えます。会場はこれまでの「塾教室」から飛び出して、OBPアカデミア(大阪市中央区)セミナールームです。能楽堂の座席をイメージしました。

狂言《魚説経》からの一場面からのオープニングです。「実際に狂言の演目を見たのは初めて。演じる声、伝えようとする声に圧倒され引き込まれた」とのお声も。

第一部。真花塾という塾名は世阿弥の「まことの花」に由来します。古典、古典芸能という切り口からいかに気づきを得るか、そしてどのように自分に活かすか、塾長吉川の狂言鑑賞経験からの気づきとともにお話しします。

第二部。いよいよ狂言台本《仏師》を音読します。本講座は一般的な音読や、接客研修にも取り入れられるような発声練習とは少し異なります。それは「セリフ」「登場人物の持つ背景」に着目しているからです。

「伝わる」コミュニケーションのポイントのひとつに「声」があります。また、実際の身振り手振りから、体と声を組み合わせて「伝える」ための工夫やアイデアを学びます。いわゆる「詐欺師」である仏師の、だましがばれそうになるときの必死の抵抗も面白い!

当塾では一般の方向けの講座後、かならずお菓子とお茶をお出ししています。お菓子は第1部の隠れたテーマでもあった「2020年」にちなみお選びしました。(写真は後日、塾長吉川の振り返りの場にて)

喫茶去の精神と、体験後の和気あいあいとした意見交換が活発化し、多くの方に「教えられる」こと以上に、「ご自身で気づきを得ることの大切さ」を感じていただける場となりますよう、今後も活動を続けてまいります。

そして「よし、明日自分は自分の活動において、どんな工夫をしてみようかな」と思いをめぐらすことの面白さを体感していただきだいと願っています。

最後に、ともに時間を過ごされたご参加の皆様、講師を務めてくださった河田圭輔(狂言実演講師)さん、朝原広基(能楽研究家)さん、当塾スタッフ、3月の会場さがしのときからご縁をいただいたOBPアカデミアのスタッフの方々、本当にありがとうございました!

皆さんの「まことの花」が、それぞれのフィールドで大きく咲き誇ることを夢見つつ、古典を「使う」ことへの可能性を追い続けます!

2019年5月28日

ケーススタディ, コミュニケーション, 古文, 大学生, 大学生講座, 学び, 就活, 真花塾にほん伝統文化プロジェクト, 講師ブログ

必見!体験型コミュニケーション研修をお探しの企業研修ご担当者様へ【真花塾にほん伝統文化プロジェクト】

初めまして。真花塾の吉川真梨と申します。当塾は、古文漢文を武器に大学受験を目指す高校生のためのオンライン塾です。いわゆる「お勉強」の古典を教えています。

じゃあ、なぜ古典を教える大学受験指導塾の人間が、社会人向けの体験型コミュニケーション講座を開催するのか?

とてもよく質問されます。

私の思いはただ一つです。

古典を”明日使える知恵”として活かしてほしい。勉強科目として学んだ人がたくさんいるからこそ、今度は実社会のコミュニケーションの場で、それを本当の意味で役立ててほしい。

このようなわけで、就職活動に励む大学生や若手社会人の方にも”明日使える古典”として学びを深めるための【真花塾にほん伝統文化プロジェクト】を立ち上げました。最近では、学校や塾の先生をはじめとする教育関係者の方々も関心を寄せていただいています。

明るい”アホ”がいちばん強い

ただいまご参加お申込み受付中の、狂言の登場人物に学ぶ!役立つコミュニケーション講座inOBPアカデミアは、狂言《仏師》の台本を音読しつつ、「アホの強さ」つまり「取り繕わない自分でいることの強さ」を知るのを目的としています。

音読と一口に言っても、これもまた「お勉強」とは異なります。

狂言の実演講師に「サラリーマン狂言」でおなじみの河田圭輔氏を、さらに関西を拠点に能楽研究を長年続けておられる能楽研究家の朝原広基氏をお迎えし、いわゆる座学研修とは一線を画す講座づくりをしています。

もちろん、「人を育てる」「人をやる気にさせるコミュニケーション」の切り口から、真花塾塾長の吉川もお話しさせていただきます。

2017年に春に当塾が大学生に行ったアンケート結果によると、社会人として身につけておくべきスキルは何か?という問いについて、103名のうち97名が「コミュニケーション能力」と回答しました。

若者も「社会に出たらこのままではいけない!なんとか自分のコミュニケーション力を高めないと!」と、なにか突破口を探しつづけています。

ですが、コミュニケーションの質は「相手がいること」を前提としています。

だれかれ構わず話しかけてみたり、やみくもに経験を積もうとしたり、方法論を学ぶだけでできるようになるというものではありません。

ときに空回りしつづける若手社会人の皆さんに、狂言の登場人物に自分自身を投影させつつ、「台本の音読」という体験型の講座を通して、自分の殻を破ってほしいと考えています。

実社会で必要とされるコミュニケーションは、”明るいアホ”でいられること。

そこにいるだけで場が明るくなりお話もはずんだ結果、お客さんがどんどん集まったり、チームを活性化させるような人、そして周りから一目置かれるような人って、いませんか?

その第一歩は、自分がまずコミュニケーションに対するこれまでの意識を変え、考えや行動を「ほんものの社会人」としてふさわしいよう変えていくことなのです。

企業向け「狂言をつかった体験型ビジネスコミュニケーション講座」お問い合わせも随時

また、当塾では企業向け研修講座(御社に出張します)のお問い合わせも随時受け付けております。

狂言を使った体験型ビジネスコミュニケーション講座とは

お問い合わせはコチラ

真花塾にほん伝統文化プロジェクトは”明日使える古典”を、社会で活躍する皆さまにお届けする全く新しい古典教養講座です。

【お申込み受付中!】2019年6月9日(日)狂言の登場人物に学ぶ!役立つコミュニケーション講座inOBPアカデミア

2019年4月17日

コミュニケーション, ネット塾, 保護者サポート, 古典教養講座, 塾サポート, 漢文, 真花塾にほん伝統文化プロジェクト, 講師ブログ, 進路指導, 高校部

仕事も学校生活も!新生活だからこそ「あるがまま」を意識【真花塾にほん伝統文化プロジェクト】

2009年の初夏、私は人生初のローンを組みました。「これを聴くだけで売上が爆発する」という営業セミナーのCDセットです。

新卒で入った会社で、美容サロンをまわる営業の仕事に就いて数か月。これがまた、私は全っ然売れない(契約が取れない)ダメダメ新入社員でした(笑)。電話をかけてもかけても、訪問してもしても契約が取れず、「これはマズい」と焦る毎日。もともと接客や人と話すことそのものには自信がありました。相手のお話を聞くのも手ごたえはありました。

でも商談になったらどうしても逃げられてしまう。先輩のアドバイスを受けて工夫しても、どうしても話に「うそっぽさ」があるのが拭えず、うまい人のやり方を真似てもどこか「演じている」ような、しらじらしい自分のトークの録音を聴き、絶望的な感覚に襲われつづけて耐えられなくなりました。そして、最終的に自分で選んだのがこれでした。

選んだ決め手は、その営業プログラムの内容が「テクニックに頼るのではなく本来の自分で勝負すること。そのため、自分を高め、営業に限らずどんな仕事でも、どんな商品サービスででも使える考え方をつかんでほしい」とうたわれていたからです。

実際に、当時の私にとっては目からウロコでしたし、いま聴き直しても感銘を受ける内容ばかりです。ただし、その内容が身につくまでにはたいへんに時間がかかりました。いまにしてようやく、手ごたえが出てきています。いまは、入塾面談でも保護者面談でも、生徒指導や他塾の訪問でも、まったく動じずにいられます。契約がかかっていようがいまいが、普段どおりの自分でお話しすることができています。

私には「本来の自分」で勝負できるまでに、10年も必要だったということです。でも、このことだけで「そのプログラムには価値がない!」と決めつけてはいません。私は、購入したいきさつや今までの自分の変化をトータルで考えて「あぁあのときこのプログラムに出会っておいて一生の財産を得た」と思っています。

ここでいきなりですが”明日使える古典”の話題をば!

「本来の自分で勝負」といえば、「無為自然」で知られる老荘思想があります。高校漢文の教科書におさめられているものの中では、私は荘子の「渾沌」が、本質をついた鋭さに感銘を受けます。生徒は「文章が短くて分かりやすいから好き」と言いますが・・・(笑)これはまた別の機会に^^。

「あるがままに」がキャッチフレーズですが、これは儒教からの形式主義を否定するだけでなく、天下を取る秘策をも示します。

よく知られているのが上善如水。戦国武将・黒田官兵衛や地酒の名称として馴れ親しんでいる人も多いと思います。水のように柔らかく、環境に応じてしなやかに形を変える。それだけでなく、力を一点集中させた場合には、岩をも穿つ強さを持つ。柔らかくあることは鋼のような強さよりも勝るのです。

新しい生活や環境、チャレンジにおいて、少し息苦しさを感じたときには、ぜひ自分の良さを活かす方法を探し続けるのをおすすめします。

「あるがままに」の柔らかさの裏にこそ「天下を取る」という野心的なものが存在することもあると知れば、皆さんの毎日の過ごし方や人生の目標にも、少し膨らみが持てるのではないでしょうか。

2019年4月15日

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ニッポンはわさびの味?そして勉強も…【真花塾にほん伝統文化プロジェクト】

こんにちは!真花塾 塾長ヨシカワです。

“明日使える古典”をモットーにする真花塾にほん伝統文化プロジェクトですが、今回はがっつり「大学受験生指導」について。

え、塾なのに伝統文化?と思われた方、ぜひ塾長ヨシカワのプライベートとともに、当塾の指導理念を知っていただけますと幸いです。

さて、わさびといえばあの鼻にくるツーンとした辛さが思い浮かびます。あぁお寿司食べたい!そのたっぷりのわさびにしばし涙したあと、どんな感覚になりますか?

唐辛子なら汗が出て、口の中にも刺激がまだまだ続きますが、わさびはなぜか。すーっと冷静になって食べることに集中できる、私はこの落ち着いていく不思議な感覚がとても好きです。

この同じ感覚が、能楽堂でも味わえます。もちろんお能を「観る」ことも大好きですが、舞台の熱気が高まれば高まるほどに、すーっとどっしり、落ち着いた感覚に襲われるのです。まさに腑に落ちる

何かの本で、このようなことが書いてありました。4年ほど前のことで、著者もタイトルも忘れてしまいましたので、一字一句再現できているわけではありません、ご容赦くださいm(__)m

「西洋音楽では、その高まりに応じて観客の興奮もどんどん高まっていく。指揮者が息を止めれば同じように息を止め、同じように息を吸うことにより、観客の重心もどんどんに向かう。

一方では、観客は演者と同じように息を『吐く』。そのぶんだけ重心はどんどんに行き、ストーリーが進むにつれて心地よさが能楽堂いっぱいに広がる。」

どんなに盛り上がっていても、どこか冷静で心地よく落ち着いている。そしてしっかりと自分の内面に目を向けている。

おぉ、なんか強い

この強さ、いったいどこで発揮できるのかといえば、「いざというとき」です。非常に漠然としていますが、現代に生きる私たちにとって、「いざ!」は精神的な強さを必要とするときです。

なにかの事情で誰かを凌駕しなくてはならない「一時的なたたかい」も十分にそのときですが、大切なのは、なにかを「継続するための強さ」つまり「自分とのたたかい」です。

仕事、対人関係、そして勉強(とくに受験勉強)。もっといえば、人生も数十年単位なのですから、生きること自体が「いざというとき」の連続なのですね。

ということで、真花塾のネット添削では、ことさらに生徒を「あおる」「励ます」「気合を入れさせる」ようは指導はしません。よほど目に余るときや、どうしても急いで生徒に目を覚ましてもらわないといけないときに限り、本気で心をこめて叱り飛ばします。

厳しい指導を受けること = ガンガン叱られること、というわけではありません。いつも怒られ続けて当たり前、大人に気合を入れてもらって成長した気分になって、「先生すみません!次はがんばります!!」と言えばそれだけでなぜか許してもらって、ちゃんちゃん。

こんなことを習慣づけてしまえば、先生がいなければ頑張れない、という残念な受験生を作り出します。

じっくり本人にえさせ、自分の言葉で質問を言わせ、解答解説を自分でませて、辞書や参考書で調べさせる。

この過程を経て、本人が自分から「どうしてもわからない」「調べても考えても解決しない」と言ったときこそが、講師の本領発揮です。

調べつくして考え抜いた生徒は、おなじ「分かりません。教えてください」と言っているように見えて、調べて考え抜いていない生徒に比べるとはるかに重心が下にある状態です。

落ち着いて、解説を受け入れる心身の準備が整っているので、指導する側がことさらに熱を見せすぎずとも、すっと理解します。さらに、「自分がどこで間違ったのか」をよく自覚しているため、自信を持って「もう間違えないぞ」という自分への信頼を築いていきます。

これを繰り返して、人間は成長します。

大学に入学する年齢は「大人」として認められる年齢と重なる。つまり大学受験は精神的に幼いうちには成功しないのだ

とある大学受験指導のプロであるN先生がおっしゃっています。

私もまったく同じ思いです。

かつて大人にふさわしい年齢なれば着物の帯を腰の位置まで下げたのと同じく、重心を下にできる人間がほんものの大人であると強く思います。