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2020年11月3日

Q&A, コミュニケーション, ネット塾, 保護者サポート, 受験, 大学受験, 学び, 読書, 講師ブログ, 進路指導, 面談, 高1, 高2, 高校部

家族はどうする?「家で勉強しても集中できない」ときの対処法

こんにちは!真花塾の塾長ヨシカワです。

大学受験に「受かる人」と「そうでない人」にははっきりと差があります。それと同じように、「受かるご家庭」と「そうでないご家庭」も、実は明確に分かれます。

受験生ご本人には、高校の先生方や予備校の先生、塾の先生から、直接あれこれと指摘や叱咤激励が入るものですが、ご家庭とくに保護者の方には、どの先生もなかなか改善すべき点を指摘しづらいのが現実です。

もちろん、どのご家庭にも子育て方針があり、お子様の教育のゴールを小さい頃から決めておられます。ご家庭のその方針に素直にしたがってきた受験生もいれば、反発の多かったお子様もおられるでしょう。

保護者の方としても、たとえば「きょうだいで同じように育ててきたつもりでも、下の子は上の子とちがって高い目標を持ちたがらない」などの戸惑いがあるとお聞きします。

それでも、やはり物事には原理原則がつきものです。

「家庭の方針に合わせて」「受験生であるお子様の個性と意思を尊重して」というのは当然であっても、プラスして「受かるために本人とご家庭で“変えていくべきこと”」をぜひ知っていただき、しっかりと行動に移していただきたいと思います。

さて、前置きが長くなりましたが、本題に入りましょう。

「家では集中して勉強できない」という受験生は非常に多いです。私が「じゃあたとえば台風が来たり、大雨になったりして学校が休みになって、外出できないときはどうしてるの?」と聞くと、「そのときは家でなんとか頑張ってる」と彼らはいいます。

ただし、「そのときだけは嫌々家で勉強するけど、毎日家で勉強するなんて絶対無理」と、たいてい言い訳の言葉が続きます。

対して、見守るご家族としては、家での姿がお子様のすべてですよね。たとえばお子様が「塾や図書館で頑張ってきた」と言ったとしても、「ほんと?」とついそれを否定したくなるものではないかと思います。

誘惑多い家の、ましてお子様本人の部屋で勉強しているのであれば、いくら本人が「がんばっている」と言っても、保護者の方の不安はなかなか消えないものだと思います。

塾講師としての第三者目線でお話しさせていただくと、受験生本人と保護者の方との歩み寄りがもっとも重要なのは、この「家での勉強での取り決め」なのです。

ここからは、受験生の皆さんと保護者の皆さまへ、それぞれにあてた私からのメッセージです。いつも生徒面談、保護者面談で申し上げている内容を、できるだけそのままの形でお伝えしたいと思います。

【受験生の皆さんへ】

まず、合格したいなら「家でも頑張れる」ことが大前提だと思いなさい。ひと昔前と違って、いまは突発的な自然災害も多く、警報その他で学校や塾が休校になることも増えています。そのときに「家だからはかどらなかった」と平気で言えている受験生は成績UPは見込めません。

大学受験生なら、一日12時間は勉強することになります。

受験生としての休日。朝起きて、「さぁ今日はどこに行って勉強しようかな。塾は15時から22時まで空いているから、塾の自習室を使うとして、それまでは・・・図書館に行こうかな。でも席取らないといけないし面倒だなぁ。どうしようかなぁ」と悩んで迷っている時間は、本当にほんとうにもったいない!

起きてすぐに簡単な身支度をすませて、塾の開くその15時まで、家ですぐに勉強を始めるのがいちばんに決まっています。

「家で集中できない」うちは合格は無理だと思ってください。

家でも集中できる方法や、自分の毎日の勉強時間を自分で考えてご家族に伝え、手助けが必要ならはっきりと自分からお願いして、「家でもがんばりたい」「合格したいから協力してください」という意思表示をするべきです。

自分が合格できるかどうかを無駄にあれこれと心配するのではなく、きちんと自分が勉強できる環境づくりを考えなさい。

【保護者の皆さまへ】

「うちの子は家では全然勉強しない」とのご相談をよく頂戴しますが、保護者の方の目から見て、いまのお子様はいかがですか。たしかに、お子様は家ではついだらけてしまうと思います。ご心配はごもっともです。

ですが「家でははかどらない」と言い訳したくなるお子様のお気持ちについて、詳しくご本人から話を聞いたことはおありでしょうか。

高校生の言い分として一番多いのは、「家で勉強しようと思っても家族がじゃましてくるから」なんです。この意識のすれちがいは、受験直前期に大きな悪影響になりかねません。少しでも早く、お子様と話し合いの時間を持つのをおすすめします。

高校生がいう「じゃま」は、「一方的に話しかけられること」「騒音を立てられること」「思うように時間のやりくりができないこと」の3つではないかと、私はいつも感じます。ご家族にとっては無意識である毎日の行動が、もし本当にお子様の受験合格への妨げになっているとすると、とても悲しいですよね。

今日からはぜひ、このようなことに気をつけてみてください。

お子様が勉強しているときにはよほどでない限り話しかけない。

→これがもっともわかりやすい「じゃまをしない」ということです。「ちゃんとやってるの?!」はNGです。

お子様が自分から伝えてきた勉強時間内は、ご自身やほかの家族が娯楽を楽しむ声はできるだけおさえる。

→耳から入る情報は、思っている以上に余計な刺激となります。家族が楽しそうに盛り上がった声ならなおさらです。

お子様には「勉強第一でいいよ」と伝え、できるだけ家事などの頼みごとは最小限にする。

→お仕事をお持ちの保護者の方もたくさんおられますが、「家にいるから」となんでも頼むのではなく、前もってお子様と約束している家事だけにとどめるのがいいでしょう。本当に突発的で緊急を要する用事であれば、お子様ご本人からご家族に「やろうか」という声があるのではないでしょうか。

お子様に「早く寝なさい」と言わない。

→お子様の体を気遣うお気持ちはわかりますが、一日12時間受験勉強をする毎日のうち、「これが解き終わるまでは寝たくない」という日も出てきます。気の済むまで勉強させてあげることが、受験において「子どもの意思を尊重する」ということではないでしょうか。

さて、ここからは裏ワザです。

お子様の大学受験や大学受験勉強について、保護者の方のご不安が募ってきたら、ご自身も読書をしてみてください。雑誌や、タブレットでのデジタルの読書はおすすめしません。久しぶりに図書館や本屋さんに足を運んで、好きな本を選んで、おうちで楽しく読んでみてください。

お子様は、その保護者の方の背中を見ています。学ぶことの楽しさ、本を読むことの面白さ、家で静かに集中する時間のすばらしさを、ご家族のそのご様子からきっと感じ取ることでしょう。

【まとめ】

受験生本人が本当に勉強を頑張りたいと思うならば、まずは自分が家で集中できる環境づくりを真剣に考えて、ご家族に何をサポートしてほしいのか、明確に伝えてお願いしましょう。それが受験生として家族にしなければならないマナーであり、大人として成長するということなのです。

また、見守るご家族は、そのお子様からのお願いを一蹴したりせず、真摯にしっかりと向き合ってあげてください。そして、お子様の受験の成功を心から願っていることをはっきりと伝え、家族が配慮したりサポートできることとそうでないことを、細かく提示してあげてほしいと思います。

保護者の方の強いご不安は、ときにお子様の精神力や判断力を奪います。

ご不安がコントロールしきれなくなるほどになったときは、お子様本人や家族にストレートにぶつけるのはなく、家で読書してみてください。好きな本で気持ちも豊かに、大人だからこそ得られる学びの面白さを、ぜひ背中でお子様に伝えてあげてください。晴れて大学生になったお子様は、その姿を目に心に焼きつけてさらに成長されることと思います。

2018年8月16日

ネット塾, 動画添削, 受験, 古文, 理系, 読書, 講師ブログ, 高校部

古典の視点で考える理系が面白い

真花塾では多くの高校生に古典に関する勉強サポート、一般の方や学生さんには一般教養として古典芸能にふれるイベントを開催・提供しております。現代との結びつきが想像できないためか、古文を苦手とする高校生も少なくありません。私、吉川が携わっている生徒さんにも多いですが、理系高校生で国公立大を目指すため、しかたなしに古文を勉強せざるを得ないんだとため息をもらすケースも見かけます。理系であることと、古文理解が難しいということには関係はありませんよ。私、吉川も高校時代はリケジョでした。それで、いまは古文・漢文特化のネット塾代表です(なんでやねん!っていわないでくださいね)今回は、古典勉強の気分転換にもオススメの書籍を紹介いたします。理系の方にこそ読んでいただきたいです一冊です!

江戸学入門 江戸の理系力(洋泉社)

洋泉社から出されている本ですが、古文に関心を持てない理系の高校生にこそ読んでいただきたい一冊です。科学や技術が活躍するのは新しい時代ばかりではなありません。古い時代にも、科学や技術に憧れ、取り組んだ方々が多くいました。何もない状況から、今日に繋がる土台を作り上げた祖先の力強さを、写真や資料入りで感じることができる本として評価されています。

この本は「江戸の天文暦学」「江戸の測量術」「江戸の医学」「江戸の数学・和算」「江戸を彩る理系人たち」という5つの章から構成されています。天文暦学者の渋川晴海に関する情報からはじまり、測量家として有名な伊能忠敬、北方調査団の間宮林蔵、華岡流で知られる医師・華岡青州、和算家の関孝和、発明家としても知られる本草学者・平賀源内など、いろいろな方の功績がたくさん載っています。普段語られることのない情報は、昔の時代を知るめったにないチャンスです。

今の時代と、古文・古典の文化は繋がっています。まちがってもポツンと単独に存在しているものではないのです。いま私たちが当たり前に使っている技術や設備も古い時代に積み上げられてきたものが、さらに担い手によって高く積み上げられてきた証と言えます。

ネット上の声

「江戸学入門 江戸の理系力」を通して、日本人であることに誇りが持てる。昔の日本人ってすごいと思えるようになったという意見が多くネット上の声として挙げられています。興味や関心が持てるようになって、その時代にある作品や書物に興味持てることが、昔というものを紐解く学問には必要です。今回の江戸の人たちもまた、さらに平安や室町などかつての時代の人の思いや作品を受け継いで、何かに取り組んできたのだと私は考えます。技術や医療に関心がある理系高校生の皆さんも、技術や道具の移り変わりを知ることができるとしたら、少しは感覚が変わってきませんか?

そういう昔の資料を紐解いて、いまの技術に貢献させる橋渡しをしてきたのが古文を読解する専門家たちだったわけです。建築物や土木の知恵、食物に対する知恵まで古文や古典から現代に取り入れられたものは多いです。過去から現代に受け継がれたものって、すごいと思いませんか?そんな思いをもって、古文に向き合うと少しは苦手感も薄れると真花塾の吉川は考えます。

今回は高校生特化のネット塾・真花塾が、オススメする書物について紹介いたしました。知らないことを知る楽しみを持ちながら、古文読解をすることをオススメします。一般教養講座もあわせて、情報発信とお問い合わせをお待ちしております。

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2018年10月21日(日)第3回狂言のことばをみんなで読んでみる会 テーマ《仏師》

2018年8月13日

古文, 狂言のことばをみんなで読んでみる会, 読書, 講師ブログ, 高1, 高2

知識を重ねるごとに視点がかわる

高校生の古文・漢文特化で知られる真花塾ですが、高校生の皆さんには「とにかく復習が大切」というスタンスを崩さずに指導を行っております。読解問題の場合、同じものをまた読むということに抵抗を感じる方もいます。しかし、同じ作品であっても、反復して数をこなしてくると見える世界が違ってくるのです。今回は知識と読解が合わさると、具体的にどんなメリットがあるか紹介いたします。

能楽を鑑賞してまいりました

週末は京都の地を巡り、古典の勉強を兼ねて能楽を観に出かけてきました。真花塾の代表であっても、吉川もまた古典を勉強し続けている一人です。気持ちを引き締めて、能というひと時を全身で体感してきました。今回は、不思議なことに「何か違う」感覚があることに気づきました。いつも行っている音読・高校生の皆さんへの読み聞かせで私の耳がスキルアップしたのか、能楽のセリフと意味が、まるで同時通訳するみたいに、どんどん頭の中に入ってくる感覚を味わったんです!

言葉を通して時代や景色が見えてくる

英語でも300時間「英語の音」にふれ続けていると、「英語脳」という英語思考の土台ができるといわれています。語学という側面では、英語も日本語も、もちろん古典もおなじです。ずっと動画添削を続けていること、そして音読重視の指導スタイルで、私の頭も「古典脳」に仕上がってきたのでしょうか?

いままで意味を追おうとして、すごく頑張って聞いていたセリフを聞き取ることができて、自然と時代や景色を想像することも簡単になりました。そして役者さんたちの立ち居振る舞いや言葉で、場面展開も目の前に浮かぶように想像しながらストーリーを楽しんでいる自分がいました。

 

ただ知識を「知っている」と「わかる」の大きな違いと言えます。

 

分かってくると評価は変わる

勉強に特に当てはまりますが、知識が足りていないと、何に対しても良い自己評価が持てないのが人間です。しかし、ふとしたきっかけで分かるようになると、あれだけ大嫌いだった教科や勉強そのものに愛着が生まれるようにもなりますよ^^

 

古典作品にも似たようなお話があります。外国から伝わってきた高麗人参(薬用人参)をやたらと使いたがる医者を、「あれは藪医者だ」と馬鹿にしていた周囲の人たち。でも高麗人参の効能が分かったとたん、今度は高麗人参を用いない医者に対して、「あれは藪医者だ」と評価を一変させたというストーリーです。

 

古文・漢文の読解力を鍛えたい高校生の皆さん、場面や景色が見えてくるまで、心をこめて読みこなすのも大切なことだと思いますよ。

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2018年10月21日(日)第3回狂言のことばをみんなで読んでみる会 テーマ《仏師》

2018年7月29日

ネット塾, 動画添削, 受験, 大学受験, 学び, 読書, 講師ブログ

良書は「こころ」を育てる~読書ノススメ~

古文・漢文特化の真花塾は、高校生専門の塾として動画添削指導を行っております。そのため、インターネットの学習塾としてのイメージが強いのではないかと思います。ですが実は、真花塾は社会人向けの一般教養講座だったり、お子様向けの体験講座だったりと、実社会で役に立つ”人材””育成にも力を入れております。そのための題材として、古典をはじめとする様々な書物を扱っているという認識をしていただけると幸いです。真花塾では、高校生にももちろんのこと、小さなお子様や社会人にも「声に出して書を読む」ということは、とても重要なことなのだといつもお話ししています。書は「こころ」を育ててくれます。今回は真花塾代表の吉川にとっての、大切な一冊について紹介いたします。

社会人向け一般教養講座に興味がおありであればこちら
お子様向けの体験プログラムはこちらもご覧ください

“同じことは2度起こらないのだよbyアスラン『ナルニア国物語』”

私の愛読書の一つに『ナルニア国物語』があります。登場人物の中でもアスランがめちゃめちゃ好きなんです。「意外!先生なら巻物読んでそう~」という声が聞こえてきそうですが、和書も洋書も何でも読みますよ。古今東西どんとこいです(笑)
登場人物や状況を想像も容易です。クローゼットの中でかくれんぼしたくなったこと、あるある!さらに読めば読むほど、目からウロコの新しい発見があります。一見すると勉強に関係ないような物語だって、想像力を膨らませる(頭の中に絵を描く)練習になりますし、セリフの考察が、日常の生活や人生への大きなヒントにつながることだってあります。中でもこのアスランのセリフは、やり直しは聞かないからこそ、一つ一つを大事にしなさいという一期一会に似て、学ぶ側にも指導する側にもはっとさせられますね。

諸説あるアスランのセリフに対する解釈

良い書物の特徴ともいえますが、実はこのセリフの解釈はいくつかあります。アスランは、はじめは主人公たちを全面的に導き助けたにもかかわらず、再び彼らがナルニアにやってきたときには、自分からは何も救いの手を差し伸べません。「どうして助けに来てくれなかったの?」と理由を問われると、悠々と「同じことは二度と起こらないのだよ」と答えます。これは、いつまでも頼ってはいけないよ、健全に自立をしなさいね、という投げかけではないかと思います。高校生の指導も同じです。上には上があって、先には先があります。大学受験本番当日に彼らと一緒にいられる、なんてことはありません。一人で立ち向かわせなければならない。だからこそ丁寧に、高校生たちが本番当日に堂々と力が発揮できるよう、勉強サポートしなくてはならないと考えています。

ちなみに一番メジャーな解釈としては、期待しているだけで終わってはいけない。~だろうとあてにすると良くない。自分でできることを信じて行動することこそ大事というニュアンスが、おそらく正しいとされています。

ほかにも宗教的な解釈だとか、このセリフは夢の中で一度、現実で二度目が語られていることから、夢が正夢になったというとらえ方をされている方もいます。こういう考え方もあるんだなと、また新しい気づきがもらえますね!

良い書物は、読み手を考えさせる表現がいっぱいあります。それを一人でじっくり考えてみたり、友達同士でああでもない、こうでもないと考えてみることや話し合ってみたりすることも、楽しいひとときではないでしょうか?

勉強のための読書が全てではありません

今回は真花塾の吉川が、いつもとは少し路線を外れて、自分の好きな物語について紹介いたしました。読書というと、読書感想文のための読書ばかりを連想する人もいるのではないでしょうか。古典作品でも現代作品でも、読んで楽しく、そして気分転換になり、さらに人生にも役立つものが多くあります。勉強で忙しく頭がいっぱいな時こそ、「気づきを与えてくれる本」を少しずつ読み進め、気分転換してみてください。「コレいいよ!」という本があればぜひ知らせてくださいね。お待ちしています^^

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